日本核磁気共鳴学会

第8期会長のご挨拶

日本核磁気共鳴学会会員の皆様へ

日本核磁気共鳴学会第8期会長の就任にあたりご挨拶申し上げます。

本NMR学会の前身であるNMR討論会は1961年に誕生し、2002年に荒田先生を初代会長として、日本核磁気共鳴学会へと生まれ変わりました。私がNMR討論会に初めて参加したのは、第19回(1980年)の北大開催の討論会で、修士の1回生でした。それ以降、長年にわたり本学会を自身の研究の中心の学会として活動してまいりました。本年2016年4月1日から2年間の任期で、会長として本学会の運営を行うことになり、たいへん光栄に思うと同時に、55年の歴史を引き継いでさらに本学会を発展させる責務を考えますと、身の引き締まる思いです。

NMRは単なる分析の手段ではなく、その使い方によって、物質の構造・運動・機能を総合的に研究できる最も強力な分光法です。学会の参加者の分布からも判るように、その応用先は、物理〜化学〜医学に及んでいます。このような多様性・発展性は、NMRの理論・方法論・装置の多彩な「自由度」によっています。つまり、NMRを深く理解することにより、単なるブラックボックスではなく、個々の問題に切り込むことの出来る最適な道具にすることが可能になります。

本学会は、NMR研究に関する交流を盛んにすることで皆様のNMRスキルの向上に貢献する目的で設立されました。私も微力でありますが、本学会の発展のために出来る限り頑張りたいと考えています。本学会の理事や様々な委員会の委員の皆様をはじめとして、学会員の全ての皆様に、学会活動へのご協力とご支援をお願いいたします。また、大学、研究機関、研究支援機構、学協会、関連する企業の方々にも様々な形でのご支援をお願い申し上げます。

2015年4月1日

日本核磁気共鳴学会会長
竹腰 清乃理