Last Update: 2012.11.05
第51回NMR討論会

チュートリアルコース

チュートリアルコース

本コースについて

好評を得ているチュートリアルコースを、本年も討論会に先立ち開催します。
NMRの歴史から、最近の進歩・動向までを3名の先生方にレビューして頂きます。
学生・若手研究者を主な対象としていますが、一般の方の参加も歓迎します。

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概要

日時 2012年11月7日(水)13:00〜18:00
会場 ウインクあいち 5F小ホール1
参加登録 参加申込は終了致しましたが、席に余裕はございますので、
ご希望の方は当日、ウインクあいち 5F小ホール1 受付までお越し下さい。
費用 無料

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プログラム

時間 プログラム内容
13:00〜14:30
竹腰 清乃理 先生(京都大学大学院理学研究科 教授)
2次元NMR:フ−リエ変換と共分散
とある分子のNMR信号の帰属や合成高分子の単量体や生体高分子のアミノ酸・核酸の連鎖(2次元構造)から分子の3次元構造の決定、さらには、分子の運動やイメージングにと多次元NMR法の役割は大きい。本講義では、2次元交換NMR法を題材に、基礎原理と方法を解説する。また、発展として、その代表的な処理法であるフ−リエ変換と近年提案されてそのメリットが実感されつつある共分散法について比較紹介する。
14:45〜16:15
巨瀬 勝美 先生(筑波大学大学院数理物質科学研究科 教授)
MRIの基礎
MRIの開発により、NMRの測定対象は、溶液や固体試料などの試験管に入った試料から、構造を持った任意の形状を有する試料(生体など)へと大きく拡大した。そして、それまでの分子構造などに関する情報から、生体の解剖学的構造や、疾患等に伴う化学的・物理的な変化の空間的構造など、従来のNMR手法ではアクセスできない空間的情報も得ることができるようになった。また、MRIによる医用診断は、医療では不可欠なものとなっており、装置販売の市場だけでも、世界で年間3000億円を超えている。本稿では、MRIの一般的な紹介ではなく、NMR分光計を使用している研究者がMRIを始めるときに必要な知識などを中心に、MRIの解説を行う。
16:30〜18:00
寺尾 武彦 先生(京都大学 名誉教授)
NMRはいかに創られたか: 6. 固体高分解能NMRその2
教科書では長年にわたって積み重ねられた多数の研究成果が系統的に整理され、簡潔に淡々と記述されている。しかし、その行間には先人たちの汗と涙がにじみ、フィクションを超えるドラマが潜んでいる。本講演では時代を画したNMRの方法論の研究にスポットを当て、どのような時代背景の下でどういう人物が何をきっかけに歴史的な発想を得たのか、またどんな困難に出くわしてそれをどう解決して研究を完成させたかを人間的なエソードを交えて話す。若い方々が話を通じて優れた科学者の研究に取り組む姿勢や学問に対する情熱を学んで頂ければ幸いである。今回は昨年に引き続き固体高分解能NMRについて話す予定である。